環境

カーボンニュートラル(CN)

基本的な考え方

当社は温室効果ガス削減にあたり、自社排出CO2(Scope1&2)の削減だけでなくバリューチェーン全体CO2(Scope3)の削減活動を重要視しています。特に2021年から開始した仕入先との連携によるMCK(もっとカーボンニュートラル強化)活動を推進し、CO2排出量の「見える化」と「削減」をともに追求しています。2024年度は新たに地域と連携した森林吸収による「カーボンオフセット」の取り組みを開始しました。
また、製品のカーボンフットプリント把握を進め、算出結果に基づいて仕入先と具体的な削減策を立案・実行しています。製品1個当たりのライフサイクルCO2を把握することにより、自社工程だけでなく、原材料から廃棄までを含めた低炭素製品の開発や環境負荷の一層の軽減を目指しています。
さらに、取り組みの透明性と信頼性を高めるため、第三者検証の対象範囲を拡大し、環境情報の開示精度向上に努めています。2024年度に排出された当社連結におけるCO2排出量について、Scope1&2の100%、Scope3の94%が、第三者検証を受審しました。これにより、社内外のステークホルダーに対して信頼性の高い情報提供を可能にし、説明責任を果たしていきます。
今後もMCK活動を深化させ、日常改善や生産技術革新を通じて、バリューチェーン全体で持続可能性の向上と環境負荷低減の両立に取り組むとともに環境関連情報の適正開示に努めてまいります。

CO2(Scope1&2)排出量

CO2(Scope3)排出量

再生可能エネルギー使用率

環境データ

その他の環境データの詳細を公表しています。

Scope1&2

ロードマップ

2030年までにScope1・Scope2の排出量を2019年度比で60%削減する目標を設定し、着実な実行を進めています。
日常改善によるエネルギー効率改善、ものづくりにおける生産技術革新を通じて徹底的なエネルギー削減を進めるとともに、太陽光発電などの再生可能エネルギーや当社が開発を進めるアンモニア・水素発電を活用し、化石燃料からの脱却に貢献していきます。

主な取り組み

エネルギー効率改善

当社ではエネルギーフロー図を活用し、エネルギーの収支を「見える化」することで、使用状況を整理・把握する取り組みを進めています。これにより、設備の部位ごとに発生するエネルギーロスを明確化。ロスを定量化することで改善対応の優先順位づけと具体的な改善策の立案につなげています。これらの取り組みにより、エネルギーの有効活用を継続的に推進しています。

日常改善で進める圧縮エアーの省エネ

工場圧縮エアー由来のCO2排出量削減活動を実施していく中で、生産ラインの直前に設置している個別エアドライヤの廃止を実施しました。エアー温度と露点データを収集し、設置基準を明確にすることで、現場の不安を解消するとともに設置の必要性を整理しました。結果、年間150tのCO2排出量削減を達成しました。

J-クレジット購入による水源の森林保全・育成の取り組み

当社は2024年度に、大府市の水源である牧尾ダムを抱える王滝村・木曽町発行のJ-クレジットを購入しました。
当社のカーボンオフセットを推進するとともに、地域と連携して水源森林の保全・育成に貢献してまいります。

再生可能エネルギー活用の拡大

当社は2030年度の環境目標達成に向け、再生可能エネルギー導入を拡大しています。
2024年度は新たに日本とインドネシアの2拠点で工場屋根上の太陽光発電を整備し、中国の2拠点ではソーラーカーポートを導入しました。これにより合計5,500MWh/年の再生可能エネルギーを創出し、再生可能エネルギー使用率の向上に貢献しています。
また、メキシコとアメリカの拠点においては、新たにグリーン電力を導入するなど、各国のエネルギー事情や規制を踏まえ、柔軟な再生可能エネルギー活用戦略を推進しています。

Aisanみらい工場
Aisan (Foshan) Auto Parts Co., Ltd.(中国)

Scope3

ロードマップ

当社はScope3において、2019年度比で28%の削減を目標に掲げて取り組んでいます。特に当社の製品ライフサイクルCO2に該当するカテゴリ1・4・5と排出量の多いカテゴリ11に注力し、MCK活動を通じてCO2排出量の見える化と削減に取り組んでいます。
今後も仕入先や関係者との連携を深化させ、バリューチェーン全体でCO2削減に貢献していきます。

主な取り組み

製品個当たりCO2に着目したCO2削減

当社のScope3排出量のうち、約4割をカテゴリ1(購入した製品・サービス)が占めており、その多くが材料由来の排出となっているため、従来の材料から低CO2材へ材料置換の検討を進めています。
主力製品であるキャニスタでは、2019年度比で約36%のCO2排出量削減の目途が立ちました。
今後は、得意先や仕入先と連携し、低CO2材への置換を推進するとともに、製品のさらなる軽量化にも取り組んでいきます。

生産プロセス全体でのMCK活動

当社は2021年から多くの仕入先と共にMCK(もっとカーボンニュートラル強化)活動を推進してきました。この活動に賛同した仕入先が、自社のCO2排出量の削減だけでなく、仕入先の取引先にもMCK活動を拡大しました。こうした波及効果により、生産プロセス全体へMCK活動の輪が広がっています。今後も、この活動を他の仕入先へ拡大し、カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいきます。

仕入先とのMCK活動

当社の「ものづくり改善」メンバーと「物流・梱包」メンバーが、仕入先の困りごとに対し、協働活動によって、洗浄と輸送の兼用トレーを開発しました。兼用トレーの開発により①洗浄エネルギーの半減(従来収容量が倍増) ②洗浄後詰替作業の省略 ③箱収容数増による運搬効率向上が実現されました。

物流ルート集約による効率化

以前は取引先ごとにトラックを手配し、製品輸送を行っていました。個社対応により積載率が上がらず、取引先の物流効率が悪化する要因となっていたことから、輸送会社に協力いただき中継地を設置し、物流ルートを集約しました。年間輸送CO2排出量を13t削減(8.7%減)するとともに、共同輸送によりトラックの積載率が大きく改善しました。