環境

気候変動

TCFD提言に基づく情報開示

愛三グループは、気候変動問題を重要な経営課題の1つとして認識し、
気候変動への取り組みを強化するとともに、
TCFD提言に沿った情報開示を進めてまいります。

ガバナンス

CROを委員長とするサステナビリティ委員会において、気候変動問題を含むサステナビリティ分野全般の方向性や適正性を確認しております。気候変動問題については、サステナビリティ委員会の下部委員会であるTCFD委員会(3ヵ月に1回以上開催)において、気候変動問題に関連する計画の策定、実行および管理を行います。

サステナビリティ委員会とTCFD委員会の関係図

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リスク管理

愛三グループは、サステナビリティ委員会において、TCFD委員会から報告を受けた経営に重要な影響を与える気候変動リスクのほかに、各委員会から報告されるその他の経営に重大な影響を与えるリスクを含めて、総合的なリスク管理を実施しています。各委員会から報告されたリスクは、抽出・分析・発生の可能性と影響度を考慮し評価を行った上で優先的対応リスクを選定し、所管部署が中心となってリスク低減に関する各種施策を実施しています。
各委員会は、各種施策の進捗状況やリスクの最新状況を確認するとともに、サステナビリティ委員会に重要事項を報告しています。サステナビリティ委員会は、報告に基づいてリスク管理に関する指示・監督を行っています。

  • 各委員会:カーボンニュートラル委員会、安全衛生委員会、働き方改革委員会、BCP委員会およびガバナンス委員会

指標と目標

COP28では、1.5℃目標達成のための緊急的な行動の必要性、2025年までの排出量のピークアウト、全ガス・全セクターを対象とした排出削減が明記され、また、欧州をはじめ各地域の環境関連法規制が強化されるなど、昨年以上に温室効果ガスの排出削減、環境貢献が求められています。
愛三グループは、環境企業として、気候変動対策に関する情報開示や評価の国際的なイニシアティブへ対応し、地球環境の脱炭素化を推進します。
現在、サプライチェーン全体で取り組む温室効果ガスの削減活動を、製品製造レベルの現場改善・技術革新に深化させ、脱炭素に寄与するアンモニア・水素などのクリーンエネルギーの技術開発やe-fuel/水素エンジン・電池などの次世代モビリティの製品開発を進め、着実に温室効果ガスを削減します。また、製品のライフサイクル全体の3R(廃棄物等の発生抑制・循環資源の再使用・再生利用)+Renewable(バイオマス化・再生材利用等)をはじめとする資源循環に、サプライチェーン全体で連携した取り組みを推進し、温室効果ガスを抑制します。さらに、事業拠点や周辺地域の自然環境および生物多様性の保全・再生、環境人財の育成などの環境活動を産学官・地域と連携して取り組み、環境負荷を低減します。

カーボンニュートラルに向けた2030年の主な⽬標値

区分 項目 目標値
CO2排出量削減(2019年度比) ①Scope1&2 60%削減
②Scope3 28%削減
クリーンエネルギー活用 再生可能エネルギー 55%
創エネルギー 5%
資源循環(2019年度比) 廃棄物ゼロエミッション 5%削減(原単位)

戦略

複数(1.5℃/2℃・4℃)のシナリオにおける社会像に基づき、2030年度に加え2050年度のリスクと機会を整理した上で2030年度における財務影響の評価を行い、リスク低減と機会創出の対応に取り組んでいます。

  • 1.5℃/2℃:NZE(2050年世界ネットゼロを達成するためのシナリオ)、APS(有志国が宣言した野心を反映したシナリオ)
    4℃シナリオ:SSP5-8.5(化石燃料依存型の発展の下で気候政策を導入しない最大排出量シナリオ)

気候変動リスク・機会と対応

区分 内容 時間軸 影響度 愛三グループの対応
移行リスク
政策・法規制
温室効果ガス
排出規制
エネルギー政策強化と再エネ使用による製造コストの増加 中期~長期
  • 徹底的なムダ取り改善
  • 国内改善アイテムのグローバル展開
炭素税導入 炭素税導入による生産コストの増加 中期~長期
  • エネルギー使用の高効率化
  • 再生可能エネルギーの導入
  • アンモニア水素発電等によるクリーンエネルギーの創出
炭素税価格転嫁による調達コストの増加 中期~長期
  • 低CO2材の採用
  • 廃棄物低減・リサイクル
  • 仕入先とのCO2改善活動
技術
低・脱炭素製品の需要拡大 新分野の移行遅延による投資コストの回収遅れ 中期~長期
  • 環境変化を考慮した将来製品の事業企画とリソーセスの重点投入
市場
顧客価値観の変化 電気自動車(BEV)の増加によるエンジン部品の販売量減少※1 中期~長期
  • 技術と強みを活用した脱炭素に資する新規領域の事業育成
評判
環境への取り組みや開示の不足 企業価値低下、顧客信頼度低下 中期~長期
  • CO2削減の取り組みによる評価機関スコア向上(CDP等)
物理リスク
急性
自然災害の頻発・激甚化・長期化 サプライチェーンの寸断による一時的な生産停止 中期~長期
  • BCP体制のさらなる強化
    • 在庫管理の精度向上
    • サプライチェーンBCPの継続
機会
技術
電動化の加速と業界再編 基幹製品のシェア増加 短期~中期
  • 競合に対する優位性確立
    • 次期型ダントツ製品への切替
    • ものづくり強化(マルチ組付け)
市場
低炭素製品の拡張・開発 水素エネルギー活用拡大に伴う水素供給ユニットの収益増加 中期~長期
  • 次世代FCV/水素エンジン向け製品開発推進
電動車(BEV、PHEV、FCEV)増加による電動化製品への参入機会の増加※1 中期~長期
  • 「軽量/高効率/低コスト」なシステム・コンポーネントの提供
  • 固有技術を活かした製品開発
  • 将来製品生産工場の新設
  • 小型モビリティ向けの製品開発
カーボンニュートラルに関する新分野の事業機会拡大 中期~長期
  • 新技術/新分野の研究開発
    • アンモニア供給系コンポーネント
    • 小型FCモジュール
低排出に貢献する製品需要の拡大 中期~長期
  • 既存技術を応用した自動車向け製品開発(FFV※2技術)
    • 合成燃料/バイオ燃料対応製品

【時間軸】短期:~2025年 中期:~2030年 長期:~2050年
【影響度】単年度の営業利益に与える影響:大 20億円以上、中 1億円~20億円未満、小 1億円未満
【愛三グループの対応】 2022年11月に発表した中期経営計画に気候関連リスクの軽減と機会創出の取り組みを織り込んで活動を推進しています。

  1. 台数前提は2℃シナリオにて算出
  2. FFV : Flexible-Fuel Vehicle