人的資本経営

人的資本経営の考え方

人的資本経営の課題を明確にし、
目指す姿の実現に向けて邁進してまいります

自動車産業は、カーボンニュートラルの実現に向けた各国の規制強化や、クルマの電動化の進展など、環境変化が大きく速く、厳しい状況にあります。また、企業の社会的責任としてSDGsへの取り組みが一層強く求められています。
当社では、ビジョンや中期経営計画を実現するための重要な基盤は「人財」であり、人的資本の価値向上は重要な経営課題の一つと位置づけています。経営理念と健全かつ強固な労使関係をベースに、「風土改革・人財変革・多様な人財活躍」の3本柱に基づいた活動を実践し、 『「自律的に学び、考え、果敢に挑戦する」人財が、「認め合い・活かし合い」ながら、ともに成長し続けるチーム・組織』を目指しています。
中期経営計画では、「パワートレイン事業」において「エンジンシステムサプライヤーを目指す」ことを掲げており、ソフトウェア人財の育成が急務だと考えております。また、人的資本経営の目指す姿と課題を明確にし、毎年実践内容をレベルアップし、開示内容の充実を図ってまいります。

体系図と重点取り組み
行動規範、MMKマインド、Aisan Way、経営理念、人権尊重経営を基盤とし、風土改革、人材変革、多様な人材活躍の3本柱で企業価値向上に取り組みます。
  • MMK:もっとものづくり強化

愛三が求める人財・風土

自律・挑戦人財 認め合い・活かし合う風土 ソフトウェア人財
これまでの課題

従業員エンゲージメント調査の結果「真面目で愚直」に業務を推進し継続勤務意向が高い一方で、率先した行動変革をためらう「受け身体質」で会社にぶら下がる傾向があることが明らかになりました。

KPIの年度目標を達成し、外部団体による評価認定を受けながらも、注力している女性活躍では生産現場における女性管理職の育成遅れ、育児・介護からの早期復職支援や仕事との両立環境の整備が求められています。

従来の事業領域では機械系の知識を持つ人財の割合が多く、CASEに必要とされるソフトウェア人財の増員が急務です。さらにソフトウェアの関連業務領域は幅広く、多岐にわたる分野に対応できる人数の確保が課題です。

目指す姿

VISION2030と中期経営計画を実現するために、既存パワートレイン製品事業のさらなる進化・深掘り提案のみならず、脱炭素に貢献する新事業分野に対して自発的に学び、考え、挑戦し、提案できる人財を目指します。

変化が大きい社会で新しい価値を創出することを目指し、従業員一人ひとりが高い志とやりがいを持ち、生き生きと仕事をすることを通して個人も会社も成長を実感できる風土・職場・人づくりを目指します。

CASEによりクルマの価値が変化し、クルマに求められるサービスが変わる中で、従来の事業から脱却・発想の転換ができる人財とともにIT領域への参画を推進し、ソフトウェアを中心とした事業へのシフトを推進できる人財を目指します。

人財変革に向けて

イノベーションに挑戦し続ける人財を育成するため、リスキリング、アップスキリングに対して積極的に投資しています。オンデマンド型学習ツールや学習管理システム「愛三マナビバ」を導入し、従業員の自律的な学びを支援するとともに、今後計画している「選抜型から自律型への教育体系への全面改訂」に向けて準備を進めています。
経営体制の構築・強化のため、業務執行における意思決定の迅速化を図るべく、役員と幹部職の間に「執行職」を設けております。今後、変革に向けてチャレンジする従業員を適正に評価・育成していくために、人事制度も時代に合った内容に見直しを図っていきます。

ソフトウェア人財育成プログラム

外部パートナーの協力を得た実践教育で基礎技術力を向上させ、新卒・キャリア採用、技術者の能力伸展に加え、社内の機械系からの転向技術者の3割が自律的に作業を遂行できるレベルに成長しています。開発実績としては実際の事業への対応を視野に入れた電動カート向け電力制御や、小型モビリティ向け駆動モータインバータ制御など、モビリティの多様化に直結する実践力を積み上げています。
今後の育成はメンバー適性に合った技術習得を強化し、育成のPDCAを繰り返して弱点強化に努めるとともに、成長した人財がプロジェクトリーダーとして若手人財や外部人材を束ね、チームでより大きな成果をもたらすように継続していきます。

愛三カタリバ

2022年度から継続している役員・幹部と従業員の対話会「愛三カタリバ」に多くの従業員が参加し、従業員エンゲージメントを向上させています。また、対話をして終わりとならないようにエンゲージメント結果や従業員の思いなどをまとめ、これからの人財・風土改革施策は会社から一方的に提示するのではなく「会社と従業員が一緒につくりあげたい働きがいのある職場・風土づくり」と位置づけ、このコンセプトを軸に展開していく独自の愛三版EVPとしてまとめました。
今後も、多様な価値観を認め合い、活かし合うことができる心理的安全性の高い対話型組織への変革を目指し、対話文化を根付かせていくための「愛三カタリバ」の進化を続けてまいります。

  • EVP:Employee Value Proposition(企業から従業員への提供価値)
取り組みにより向上したスコア
従業員エンゲージメントスコア +3Pts.
自社への将来性に関する項目 +15Pts.
経営陣への信頼に関する項目 +12Pts.

主要KPIと主な取り組み

3つの柱 主な取り組み 目標値(KPI)
  • 経営陣と従業員の対話会(愛三カタリバ)の実施
  • 対話機会の充実
    • 1on1導入職場拡大

従業員エンゲージメント

2023年度 2025年度 2030年度
スコア 52Pts. 55Pts. 60Pts.
人財変革
  • オンライン学習ツール/学習管理ツールの導入
  • 執行職の新設
  • 海外プレ赴任制度の導入
  • 継続雇用者(再雇用者)の成果評価導入

ソフトウェア・電子人財 270名育成(2030年度)

多様な
人財活躍
  • 海外拠点幹部への教育充実
    • 短期留学制度
    • 日本からの出前教育の実施
  • 海外人財の新卒採用活動展開
  • カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)の導入
  • 両立支援策の策定
    • 特別休暇取得要件緩和(不妊治療等)
    • 企業主導型保育所の共同利用支援
  • イキイキ職場活動の実施
  • くるみん認定

女性管理職数

2023年度 2025年度 2030年度
人数 5名 6名 10名
管理職総数 498名 498名 498名
割合 1.0% 1.2% 2.0%

海外拠点ナショナルスタッフ幹部職人数(GM以上)

2023年度 2025年度 2030年度
人数 17名 21名 30名
ポスト数 33 33 37
ポスト充足率 53.6% 63.6% 80.0%