【技能五輪全国大会敢闘賞獲得】若手人財育成でつなぐ技能と品質
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2025年10月17日(金)~20日(月)に愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)他で開催された第63回技能五輪全国大会※1にて、旋盤職種※2とメカトロニクス職種※3の2職種5名の選手が出場し、3名の選手が敢闘賞を獲得しました。愛三工業では、技能五輪への挑戦を通して「世界で通用する技能力を身につけ、愛三に世界一流の技能をもたらすこと」を目指しており、様々な教育・サポート体制を整えています。本記事では、技能スペシャリストとして奮闘する選手たちや、それを支えるコーチ陣、愛三学園制度などをご紹介します。
※1 技能五輪全国大会:青年技能者に努力目標に向けて取り組み、技能を身近に触れる機会を提供し、技能の重要性や必要性を広く一般にアピールすることにより、技能尊重気運の醸成を図ることを目的に、1963年から毎年開催されています。今年度の大会では、エキシビションを含む42職種の競技が行われ、愛知県内では32職種(うち愛知県国際展示場では、27職種)が行われます。
※2 旋盤職種:工作物を回転させながら刃物で加工を行う精密加工の技能分野です。技能五輪では、選手が図面をもとに部品を加工・測定し、組立までを行います。寸法精度や面粗度など、細部にわたる品質を追求しながら、限られた時間内で正確に仕上げる技術力が求められる職種です。
※3 メカトロニクス職種: 2人1組で、工場の自動生産設備を模した装置の設計・組立・調整・プログラミング・保守を行い、スピードと正確性を競う競技です。 機械・電子・情報の知識を活かしながら、連携とチームワークを通じて課題に取り組み、実際の生産現場に近い環境の中で技術力を発揮します。
技能継承×変化で次世代人財を育む「愛三学園」
高校卒業後の社員が、これからの愛三を支える中核となる人財となるための技術・技能・リーダーシップなどを学ぶ場が「愛三学園※4」です。
※4 愛三学園:1957年4月に設立された、現場のリーダーとして活躍したい人のための社内の学校。高校卒業後の1年間、給料をもらいながら機械工学や電気工学などの専門知識と旋盤・フライス盤、ロボット操作などの実技を習得します。また合宿や体育大会などの行事や日々のトレーニングで心身を鍛え、リーダーシップを磨きます。
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愛三学園学園長 柴田剛
生徒たちに“みらい”を育む“知識”を与えられるように
愛三はものづくりの会社。ものを作る力である “技能” を継承していくことが、社会や取引先の皆さまへの価値提供であり、私たちの誇りです。その技能を若手社員に学んでもらうための場所の一つが愛三学園となっています。一方で、世界の進化に合わせて変化することも重要であると考えており、電子や新エネルギーに関するカリキュラムを新設するなどの改革も進めています。愛三学園を卒業した生徒たちが、次世代人財として、みらいを育む存在に成長するよう知識を与えています。
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愛三学園から全国レベルの技能スペシャリストへ
愛三学園卒業後、本人の希望や推薦により数名が選抜され、技能のスペシャリストを目指すようになります。今回技能五輪全国大会へ出場した選手たちはその中でも選りすぐりの実力を持ちます。選手を育てるコーチ陣も技能指導を専任の仕事としており、万全のサポート体制を築いています。
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コーチ 吉本彩乃 青木亮技能だけじゃない将来にわたる術を
競技としての技能スキルだけでなく、人間力や対応力を含めた育成で、現場に出た後にもその経験を活かせられるような指導を心がけています。愛三学園でも技能五輪指導でも“自律”は一つのキーワード。教えてもらうだけでなく、自分で考えPDCAを回し、成長できるような人財になってほしいです。そのため、指導ではあえて最初から教えるのではなく、選手たちにまずはやってもらい、見つけた課題に挑戦してもらうようにしています。そうすることで、技能五輪本番や実際の職場で臨機応変に対応するための柔軟さや想定力、問題解決力の向上につながっていると思います。
愛三の”一生懸命さ”が仲間づくりにつながった
技能五輪の世界では、当社よりも長い歴史を持ち、大規模で、実力を持った多くの企業様がいらっしゃいます。最近ではそういった企業様との交流会や合同訓練会などに参加させていただけるようになり、選手たちの成長に大きく寄与しています。現在そのような機会に恵まれているのは、各競技のスキルアップに愚直に向き合ってきた愛三の選手たちの“一生懸命さ”のおかげだと思っています。地道な努力の積み重ねが他企業様に伝わり、技能を高めていく企業の仲間として愛三が認められたのだと思います。私たちコーチも、お互いに高めあう今の関係を続けられるよう、コミュニケーションを多くとっていくとともに、競技スキルだけでなく、社会人として通用する高い人間力を身につけられるような育成に努めていきます。
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2025年技能五輪全国大会 敢闘賞を獲得した選手たちの奮闘
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23年愛三学園卒業 旋盤 角優作選手高校時代からの成長。自分で考え解決する力が身につきました。
高校生時代に技能五輪に興味を持ち、出場経験のある愛三工業に愛三学園生として入社しました。愛三学園の生活では体力的・精神的に成長することができ、仕事の幅が広げられることや卒業後のキャリア形成の面でメリットを感じます。
技能五輪出場は高校時代からの夢でしたので、多くの時間をかけて練習に打ち込んできました。特に今回の技能五輪全国大会の前にでは、大会2か月前の課題発表以降、練習を積み重ね、スキルを磨くために奮闘しました。その結果として敢闘賞を獲得できたのは本当にうれしいです。 課題に対しても自分で考え原因を探り、試行錯誤の中で解決するようにしています。“自分で考える”ことは技能五輪選手としても社会人としても必要なスキルであり、高校時代と比較して自分が最も変わったと思うポイントです。
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24年愛三学園卒業 メカトロニクス種目
梶浦悠生選手、丸山大樹選手
お互いを補い合う良いパートナー。協力し柔軟な課題対応に挑みました。
工業高校を卒業後、愛三学園生として入社しました。愛三学園で1年間もの間、技術や専門的な知識を集中して学べるのはとてもありがたいことだと感じます。
メカトロ職種はペアで挑む競技であり、お互いの相性が結果に大きく影響します。梶浦さんは器用で応用力が高く、初めての課題でも柔軟に対応できる頼もしさがあります。一方、丸山さんはスピードと行動力を活かして、素早く手を動かし流れを作っていくタイプです。お互いの強みが違うからこそ、自然と補い合い、より大きな力を発揮できる関係を築くことができました。 また旋盤とは異なり大会当日に課題が発表されるため、その場の対応力が非常に重要になります。日頃から積み重ねてきた訓練に加え、一つひとつの作業の正確さやスピードを意識し、毎日の訓練そのものの質を高めることに重点を置いて取り組みました。 その結果、どんな課題にも対応できる力を磨くことができました。2024年の大会ではあと一歩のところで賞を獲得できず悔しい思いもしましたが、こういった努力が実を結び、2025年の全国大会では敢闘賞を獲得できたことは本当にうれしく思っています。
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愛三は、ものづくりの会社として若手の技能向上に長年取り組んでまいりました。この技能の継承こそが愛三の強みであり、私たちが社会に貢献するために必要なものです。そして若手社員たちはこれら教育の中で、技能だけでなく、社会人として大切な知識や人間力を培っていきます。これからも愛三学園や技能スペシャリストとしての教育制度を充実できるよう様々な取り組みを進めてまいります。
【関連リンク】
・当社リリース
「第63回 技能五輪全国大会」出場
第63回技能五輪全国大会で敢闘賞を獲得
▪愛知県公式HP
あいち技能五輪・アビリンピック2025 愛知県選手の成績について
▪第63回技能五輪全国大会入賞者一覧
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