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第24回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞「奨励賞」受賞

相変化物質の利用による熱制御を活用した固体吸着剤の高性能化技術の確立とその実用化

2025年06月30日

製品・技術

愛三工業株式会社(本社:愛知県大府市、取締役社長:野村得之、以下:当社)は、「相変化物質の利用による熱制御を活用した固体吸着剤の高性能化技術の確立とその実用化」について、公益財団法人新化学技術推進協会より「第24回グリーン・サステイナブル・ケミストリー(以下、GSC)賞 奨励賞」を受賞しました。当社として初の受賞です。
本賞は、人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学の推進に貢献する優れた業績をあげた個人や団体を表彰するもので、奨励賞はGSCの推進においてその貢献が将来期待できる業績に対して与えられます。

受賞研究の背景と概要

当社の主力製品の一つであるキャニスタは、車両に搭載され、内部の活性炭の吸着・脱離性能を活用し、燃料タンク内の燃料蒸発ガスの大気への放出を抑制する製品です。燃料蒸発ガスを大気中に出すと環境汚染の原因になるため、このキャニスタが重要な役割を担っています。しかし、本製品をHEV(ハイブリッド車)に搭載する場合には、エンジンの作動時間が短いために燃料蒸発ガスの脱離タイミングを十分に確保できないことや、脱離時に発生する気化熱によりキャニスタ内の温度が低下し活性炭の脱離性能が下がることから、ガスの脱離効率が課題となっていました。

この課題に対し、当社は大阪ガスケミカル株式会社と共同で、吸着・脱離時の熱変化を緩和する造粒蓄熱材を開発しました。この造粒蓄熱材を活性炭と混在させることにより、脱離時のキャニスタ内での温度低下を抑制し、限られたエンジン作動時間の中でも十分に脱離可能となり、HEV搭載キャニスタの脱離性能の大幅な向上に成功しました。

〈本技術の特長〉
1. 燃料蒸発ガスの吸着・脱離時に発生する温度低下を蓄熱効果により緩和
2. パージ※1量の少ないHEV環境でも安定したガス脱離性能を実現
3. 北米の厳格なエバポ排出規制※2に対応し、現地市場での量産・販売を実現

本技術は、今後のHEVや次世代車両の環境対応技術として高く評価されており、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献するものです。
当社は、今後もさらなる技術改良を進めるとともに、世界市場への展開を図り、環境性能と市場競争力の両立を目指してまいります。

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※1
キャニスタに吸着された燃料蒸発ガスをエンジン内に送り込み燃焼させることで、燃料蒸発ガスの排出量を抑える制御
※2
自動車からの燃料蒸発ガスの排出量を規制する規則

【参考サイト】
GSCN | JACI 公益社団法人新化学技術推進協会

【本件に関する問い合わせ先】
愛三工業株式会社 経営企画部 広報IR室
Tel: 0562-48-6215(直通)|Email: press@aisan-ind.co.jp