2025.05.23 Result

【レポート】Tour of Japan 2025 第4ステージ|美濃ステージ

2025年5月21日(水)
距離:137.3km
出走選手 窪木一茂, 岡本隼, 當原隼人, 加藤 辰之介, 宇田川塁, 橋川丈

岐阜県美濃市で開催されたツアー・オブ・ジャパン(通称:TOJ)第4ステージは、観光名所「うだつの上がる町並み」をスタートして約11km走行後、1周20kmの周回コースに入り、それを6周する全長137.3kmで争われました。コース上には3級山岳が1カ所あるものの、全体的には道幅の広い平坦基調のレイアウトで、例年は集団スプリントでの決着が多いステージです。
愛三工業レーシングチームとしては、集団スプリントになれば岡本選手と窪木選手のコンビで優勝を狙えるため、それを第一の作戦と設定。しかし、前日のいなべステージが非常にハードだったこと、翌日の飯田ステージが厳しい山岳コースであることを考慮し、多くの選手が「休息日」と捉える可能性もありました。そうなれば、少人数による逃げ集団が容認される可能性も十分にあるため、逃げに選手を送り込み、逃げ切りまで見据えた積極的な走りを第二の作戦としました。
逃げには若手の加藤選手、宇田川選手が挑戦。岡本選手と窪木選手のサポート役を、當原選手と橋川選手が担う布陣です。

1周目からチームの選手たちは積極的に動き、周回後半の上り区間・トンネル手前で宇田川選手がアタック。2名の選手とともに先行し、逃げ集団を形成します。一時はすぐに30秒ほどのタイム差を稼いだところに、メイン集団からさらに2名がブリッジを成功させ、最終的に5名の逃げ集団が完成しました。

逃げ集団は以下の通り
• 宇田川 塁(愛三工業レーシングチーム)
• アイマン・チャヒヤディ(トレンガヌ・サイクリングチーム)
• ヨン・クノレ(レンベ・ラド・ネット)
• カーター・ベトルス(ルージャイ・インシュランス)
• 風間 翔眞(シマノレーシング)

中でも、ルージャイ・インシュランスのベトルス選手は、昨年のツール・ド・台湾でステージ優勝を挙げた実力者。また、他のメンバーもナショナルチャンピオン経験者など、実力のある選手が揃っていました。
この逃げ集団は5人全員がうまく協調し、タイム差を一時4分まで拡大。宇田川選手はペース維持に貢献し、他選手よりも長時間先頭を引く場面も多く、山岳ポイントやスプリントポイントでも上位通過し、ポイントを重ねました。

一方のメイン集団では、リーダーチームのJCL Team UKYOやワンティ・Nippo・リユーズといったチームがペースアップを試みますが、なかなか効果的に差を縮めることができません。レースが中盤に差し掛かった時点で、一度は2分差まで縮まるも、その後タイム差は再び拡大。先頭集団は粘り強くリードを維持しました。
そして、残り1周(約20km)を迎えた段階で、タイム差は2分。逃げ切りの可能性が高まる中、これまで協調していた5名の選手の間に駆け引きが始まります。スプリント勝負を避けたい選手がアタックを繰り出し、レースは最終局面へ。

宇田川選手は、ロードレースでの勝利経験がないとは思えないほど冷静な判断力で、ベテラン勢を相手にうまく立ち回りました。フィニッシュ手前の最後の上りで一時は3名が先行するも、宇田川選手は粘り強く追走し、下りで合流。最後は5名によるスプリント勝負となりました。 冷静に最後尾から様子をうかがい、他の選手の動きを見極めた宇田川選手は、自分の得意なタイミングで一気にスパート。鋭い加速で先頭に立つと、そのままフィニッシュラインを駆け抜け、見事にステージ優勝を飾りました。
さらには、後方のメイン集団では、橋川選手と加藤選手が岡本選手と窪木選手のポジション確保に尽力。最後は當原選手がリードアウトを担当し、集団の先頭6番手で窪木選手がフィニッシュ。チームとして理想的な展開となりました。

宇田川選手にとって、ロードレース初勝利。それを愛三工業レーシングチームの「ホーム」美濃ステージで達成できたことは、選手個人にとっても、チームにとっても非常に大きな価値を持つ一日となりました。
ファンの皆様、そしてメインスポンサーである愛三工業株式会社の社員の皆様をはじめ、スポンサー/サプライヤー各社からの応援が、この結果を後押ししてくださいました。心より御礼申し上げます。
新体制となったチームで、新加入選手がこうして結果を出したことは、チームにとって今後のシーズンを戦う上で大きな自信と推進力となります。苦しいレースが続いていた中、「勝利は決して遠くない」と全員が実感できた、非常に意義深い1日でした。本当に、応援ありがとうございました。ツアー・オブ・ジャパンは、飯田→富士山→神奈川→東京とまだまだ続きます。チーム一丸となって勝利を目指して全力を尽くしてまいりますので、引き続き熱いご声援をよろしくお願いいたします。

【ステージ順位】
1位 宇田川 塁, 03:09:35
2位 CAHYADI Aiman, INA, トレンガヌ サイクリングチーム, +00:00
3位 KNOLLE Jon, GER, レンべ・ラド・ネット +00:00
6位 窪木 一茂 +00:16
16位 岡本 隼
68位 橋川 丈
78位 當原 隼人 +00:55
79位 加藤 辰之介 +1:00

【個人総合成績】
1位 FANCELLU Alessandro, ITA, JCL TEAM UKYO, 8:51:00
2位 BREGNHØJ Mathias, DEN, トレンガヌ サイクリングチーム, +00:16
3位 岡 篤志, JPN, 宇都宮ブリッツェン +00:33
29位 橋川 丈 +01:13
44位 宇田川 塁 +11:37
50位 加藤 辰之介 +12:57
63位 當原 隼人 +18:46
69位 岡本 隼 +21:03
79位 窪木 一茂 +21:25

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