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2025.10.06 Result
【レポート】Petronas Le Tour de Langkawi 2025| 第8ステージ

2025年10月05日(日)
コース:Tangkak - Kuala Lumpur 180.2km
出走選手: 岡本 隼, 草場 啓吾, 當原 隼人, 加藤 辰之介, 南 和人, 松井 丈治
スタッフ: 中根英登, 小森 亮平, 田村 亮太郎, 山内 渓太
現地スタッフ: ザイド, アメール, クチョン, ロスタム
大会公式ウェブサイト: https://www.letourdelangkawi.my/
第5ステージ情報: https://www.letourdelangkawi.my/stage-5/
リザルト: https://www.letourdelangkawi.my/results-2025/
ツールドランカウィ最終日は、例年であれば首都Kuala Lumpur周辺の周回コースを走るのが恒例となっていますが、今年は、Malaka近くの街TangkakをスタートしてKLまで北上するアップダウンの激しいコースで開催されました。
個人総合成績争いと山岳賞争い等、各賞がまだ決定的なものにはなっていないため、最終日も激しいレースとなることは必至でしたが、前日に岡本選手が体調を崩し、さらには草場選手と南選手も朝から体調が優れず、レースが始まってみないとどれくらい走れるかわからない状況でした。
チームとしては、コースが比較的フラットなレース前半は無理をせず、後半の勝負所で南選手、松井選手、そして体調次第ではありますが、本来であればこういったコースが得意な草場選手の3名をなるべく前の集団へ送り込み、勝負をしていくプランを立てました。
39.9km地点に設定されている最初のスプリントポイントまでは、集団はハイスピードのまま進み、その後次の98km地点のスプリントポイントまでの落ち着いた区間で少人数の逃げができます。
だんだんと人数を減らしていく集団の中でチームは固まって位置取りをしますが、岡本選手は少しペースが上がったタイミングで、集団から遅れてしまいます。胃腸のトラブルの影響で前日からほとんど何も食べられない状態が続いていた中で、責任感からスタートこそしたものの、今後のレーススケジュールを考慮して、ここで降りる決断を下しました。
その後、集団最後尾で体の回復を待っていた草場選手、今日もチームメイトのためにボトル運びをずっとこなしてくれていた當原選手も、落車で身体を痛めた後も無理をして走り続けた影響でレースから離脱。
残りは、南選手と加藤選手、松井選手の3人となってしまいます。
3名になってしまったことで、今日のステージで成績を狙っていく南選手と松井選手2名のための位置取りとボトル運びを加藤選手1人が担う形となってしまいました。
総合上位のワールドチームが総出でペースを上げる集団からは、山岳賞のかかっている上りで続々と選手が脱落。フィニッシュまで残り25km、40名ほどになったタイミングで南選手も我慢しきれずにドロップ。メイン集団にはチームからは松井選手のみが残ります。
個人総合成績のかかっている南選手は、同じタイミングで遅れた選手たちと懸命にペースメイクを行いフィニッシュを目指します。
一方その前のメイン集団内では、先頭で1人で逃げ続ける選手を30名ほどの精鋭集団が追う展開となっており、松井選手は集団スプリントに備えます。 そこから、誰もが苦しいタイミングでメイン集団から飛び出したXDS Astana TeamのGate選手が優勝。松井選手はフィニッシュまで残り2kmでメイン集団から果敢に飛び出す場面も見られ、後ろから追い上げてきた選手たちに追い抜かれながらも耐えて18位でフィニッシュしました。 ただ強い選手やチームについていくだけではなく、最後は自ら攻撃を仕掛ける素晴らしい走りを披露してくれました。8日間という長丁場のステージレースでしたが、第1ステージで逃げに乗り、最後まで調子を崩さず良い走りを見せてくれたのは、彼自身にとってもチームにとっても素晴らしい糧となりました。 この成績により、松井選手の個人総合成績は、16位アップの29位となり一気にジャンプアップ。南選手も、周りのペースの合う選手たちとうまく協調して50位でフィニッシュ。 個人総合成績を3つ上げて36位でこのレースを終えました。
このランカウィを通して、まずは逃げに乗ってレース展開に関わるという一つ目の目標をすぐに達成して、集団スプリントでは目標としていたトップ10には届きませんでしたが、昨年よりも内容は格段に良いものとなりました。チームとして、個々として、成長を感じられた、とても充実した遠征となりました。また、10年以上長きにわたりこのツールドランカウィに参戦する時には愛三工業レーシングチームのサポートをしてくれている現地スタッフのクチョンとロスタムから「来年も愛三工業レーシングチームと一緒に仕事がしたい」と嬉しい言葉をもらい、メカニックのアメール、マッサーのザイドなど、サポートスタッフ全員の力が欠かせませんでした。
レース後は、わずか40分で9台の自転車を輪行、周辺機材をパッキングして空港へ向かうという慌ただしいスケジュールとなり別れを惜しむ間もなく現地を後にしましたが、この場を借りて改めて感謝申し上げます。
関係者の皆さま、そしてファンの皆さま、温かいご声援をありがとうございました。チームはこのまま九州へ移動し、「ツール・ド・九州」、そして「ジャパンカップ」へと挑みます。
引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
【ステージ順位】
1位 Gate Aaron, NZL, XDS Astana Team, 3:50:05
18位 松井 丈治 +00:15
*チーム内最高位, アジア人1位
【個人総合成績】
1位 Delbove Joris, FRA, Team TotalEnergies, 27:17:38
29位 松井 丈治 +04:48
*チーム内最高位
36位 南 和人 +07:26
2名がUCIポイント獲得圏内
【ベストアジアンライダーランキング】
4位 松井 丈治 +04:37
*チーム内最高位
Text:Ryohei KOMORI
Photo:keita YAMAUCHI, Yuzuru SUNADA
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