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2024.05.13 Result
【レポート】ツール・ド・熊野2024

開催日:2024年5月10日(金)~12日(日)3日間
スタッフ:西谷、田村、久保、渡邉
選手:渡邊、岡本、草場、石上、當原、西尾 計10名
昨年2日間2ステージでの開催であったツールド熊野が、今年は古座川ステージが新規設定され、3日間3ステージでの開催となった。
この古座川ステージ、昨年はワンデイレースとしての開催が予定されていたが
生憎の悪天候により中止となったコースで、レイアウトは非常に難易度が高い印象。
また、2日目の熊野ステージは名物の札立峠が除かれ、千枚田を4周回するコースへ変更され、例年とは違ったハードな展開が予想されるなど全体的にバリエーション豊かな設定になった。
コースの特徴的にスプリンターでも山岳コースで先頭争いできる可能性があったことから、我々は岡本、草場、石上を中心に個人総合成績で優勝を狙い渡邊、當原、西尾の3名でバックアップする体制で臨んだ。
【第1ステージ 古座川コース】 5/10(金)9:30スタート
新規設定となる古座川ステージ。
大きな起伏はないものの、道幅が狭く、コーナーが深い箇所が多く存在し、レース展開によっては集団が大きく分断することが予想されたため、石上、草場、岡本を集団の前方で展開させ、後手に回らないよう注視しながらレースを進めていく事とした。
レースは序盤から散発的にアタックが発生するが、大人数で形成されることがなくアタックしては集団に吸収されを繰り返す。
コースの難易度からか、各チーム慎重にレースを進めているように見受けられた。
終盤までこの動きが続くが、最終山岳の狭小区間でマトリックスがペースアップ。
この動きで集団は2つに分断され、前方集団には岡本、草場、石上が残り
勝負は30名ほどのゴールスプリントへ。
ゴールレイアウトは若干の左コーナーからの緩斜面で、インコースに位置取りした草場と岡本がスプリントに挑むが、コーナーで進路を塞がれ勝負に絡むことができなかった。
悔しいステージとなったが、総合成績では3名が上位につける好条件で翌日に繋げた。
※當原はアクシデントによりこのステージでDNFとなった

【第2ステージ 熊野コース】 5/11(土)10:00スタート
例年と違い、千枚田の登坂を4回こなすタフなレイアウトであることと、総合上位者が多く残っていることから、混沌としたレース展開になる事が予想された。
チームとしてはこの周回コースで先行グループが形成された場合、追走するのはかなりの労力であり、追いつかない可能性もあると見て、昨日同様に逃げの動きには岡本、草場、石上のうち、1人を送り込んでレースを有利に進めていく事とし、終盤で合流した時の状況に応じて勝負の選択をする事とした。
レースはスタートからアタックの応酬となり、ハイペースで進む。
千枚田の麓付近からキナンレーシングチームがまとまってハイペースを維持し
レースはさらに過酷さを増していく。
この日も散発的なアタックはあるものの、集団はこれを容認することなくハイペースの展開が続いたことで徐々に人数を減らしていく。
最終周回の千枚田では2名の選手が飛び出し、メイン集団も追走でペースアップしたことから20名ほどに縮小。
ここには石上のみが残り孤軍奮闘を余儀なくされた。
先行2名は最大40秒のリードを稼ぐが、残り20㎞をきったあたりで協調体制が崩れ先行1名へと変化。
これをJCLがメイン集団をけん引しながら追走し、残り10㎞で先行1名を吸収。
カウンターで1名が飛び出すなどの動きはあったものの、残り500m地点で再度吸収となり勝負はゴールスプリントへ。
石上はポジションを取りつつスプリントに挑むが、同一タイムの10位でフィニッシュ。
先頭集団に岡本、草場を残せなかったことが悔やまれるが、残された石上の個人総合成績のジャンプアップを翌日に持ち越すこととなった。

<【第3ステージ 太地コース】 5/12(日)10:00スタート
迎えた最終ステージ。
この日は石上の個人総合成績のジャンプアップをメインに考え、2回ある中間スプリントを狙いつつ、チャンスがあれば抜け出しを図って逃げ切りも視野に
ゴールまである全ての可能性に対して最大限アクションしていくこととした。
レースは昨日までの結果から、中間スプリントは熾烈さを極め、石上を中間スプリントに絡ませる動きができず苦戦を強いられる。
JCLにコントロールされたメイン集団も大きな動きはすぐに摘み取り、小規模な逃げも許容しない厳戒態勢でハイペースを刻む。
レースの三分の二を過ぎたころ、4名の先行グループが形成されるが、30秒前後の差でメイン集団はコントロールし、逃げ切りを許さない構え。
常にハイペースの展開でメイン集団から多くの選手が脱落。メイン集団は30名ほどまで絞り込まれたところで最終局面を迎え、ここに残った岡本、草場、石上が集団ゴールに向けて体制を整える。
タイム差10秒まで迫った先行グループから抜け出しの動きが出ると、石上がキャッチアップのトライを仕掛けるも封じられ、先行1名もそのまま吸収。
この日の勝負も小規模集団スプリントとなった。
草場が絶好のリードアウトで岡本と石上を引上げ、残り200mで岡本が会心のスプリントを披露し、見事ステージ勝利を挙げた。
石上もこのステージを9位でゴールし、個人総合成績で14位と健闘した。

【総括】
この3日間の戦いではうまくいった点とそうはいかなかった点もあったが
選手らの高い集中力と胆力で最後まで最大限やるべきことを全うしてくれたと感じた。
その結果、最終ステージで勝利を上げられた事は最大の喜びであり、次戦のTOJに向けて良い弾みになったことと思う。
TOJでも皆さまの熱い声援よろしくお願いいたします。
Text:Taiji NISHITANI
Photo:Itaru MITSUI、Ayumu WATANABE
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